13.故説般若波羅蜜多咒。即説咒曰。羯諦羯諦。波羅羯諦。波羅僧羯諦。菩提薩婆訶。/般若心経
最後の一文、般若心経の結びは、サンスクリット語をそのまま音写したもので、訳し方、解釈は様々なものがあてられていますが、「往ける者よ、往ける者よ。彼岸に往ける者よ。彼岸に完全に往ける者よ。悟りあり。幸あらんことを」といった訳が一般的であるようです。
特にこの最後の一文はこのお経の中身が凝縮されたようなことば、咒、真言です。
先ほど述べたように、真言は想うだけ、読むだけで無明を除くものであり、「一字に千理」を含んでおり、あえてこの部分は日本語に訳さず、梵語のままのほうが功徳があるとされています。
原文のままの音の響きも、真言の大切な要素なのです。
ことさらに翻訳し、上辺の意味を頭で理解しようとするより、真言そのものの持つ力を、そのままに体内に取り入れることに効果があるという考えから、特にこの部分は梵語のまま読まれています。
言葉自体に力があるのであり、訳す必要がないとも言われます。
「薩婆訶」は梵語で「スヴァーハー」で、願いの成就を祈って真言の最後に唱える秘語です。
この最後の一文に、般若心経の教えを凝縮したものが表されています。
あらゆるものが空であるという智慧を説き、その智慧すらも空なるものだという教えですから、このお経を唱えるとき、書くとき、心に思うときもまた、空の中に心身を置かねばならないことになります。
経の文言と自身とを一体とするほどに心を込めて観誦することで、迷い、苦しみからとき放たれる、般若心経はそういったありがたいお経なのです。
~般若心経~



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