グラフィックデザイナーの夛田圭吾さん、トラックメーカー/ラッパーのEVISBEATSさんを迎えての座談です。
●「見る」ということひとつ取っても、周りの音や匂いでその深みが増すことがわかりました。そこから、次の発見へ。
圭吾 見てる人は多分「見てるだけや」って思ってるかもしれんけどね。
伊瀬 あ、そっかー。
圭吾 知らん間に入っとんのよ。匂いも音も。
伊瀬 意識しないうちに。
エビス 僕、ライブとかでもお香とか焚いたりライトアップさせたり、バックに映像流したり、したいんですもっと。音だけじゃない部分も感じてるでしょうから。
圭吾 うーん、「PVやったらカッコええのに曲だけ聴いたらあんましやった」っていうの、あるやん(笑)
エビス はー、はいはい。わかりやすいソレ(笑)逆もありますね。むっちゃいい曲やのに、PVむっちゃダサい(笑)
圭吾 エビス君が新しく作ったトラックとか、部屋持ってきて友達とかと聴くんですね。どんなイメージかっていうのを、みんなで言い合ったりします。それでタイトルをつけたり。
伊瀬 エビスさんの曲のタイトルを、圭吾さんがつけたりするんですか。
圭吾 するする。こないだの『Fire』なんかもそうやし。
伊瀬 へえー。
圭吾 出たイメージをブヮー書いていったあとに、名前の字画、全っ部調べるねん。全っ部吉数(笑)
エビス・伊瀬 笑
圭吾 でね、面白いのが、個展の一日目、作品の名前をつけてなかったんですよ。名前のプレートみたいなの、ナシで。
伊瀬 はい。
圭吾 三日目くらいに作品それぞれ名前をつけて、プレートをつけたんですね。それも全部、名前の画数調べて、吉数で(笑)
エビス・伊瀬 笑
圭吾 ほんならめっちゃお客さん入ったんですよ。
伊瀬 えー!
圭吾 全然違いましたよ。プレート貼ってる時と貼ってない時で。お客さんの入りもやし、一つ一つの作品を見てる時間の長さとかも。
伊瀬 はーあ。いかに作品を単純に目で見ているだけじゃないか、っていうのがわかりますねえ。
圭吾 名前がついてるっていうだけで、ちょっと考えるんちゃうかなあ。ほんなら必然的に見てはる時間が長くなったりするんじゃないかなって思うのよ。
伊瀬 僕の友達でカップルがいるんですけど。色んなとこにまあ、デートに行きますよね。彼氏の方は歴史が好きだったりするんで、例えば、お城に行ったりもするんですよ。
圭吾 はいはい。
伊瀬 お城って、景色が綺麗だったりもするじゃないですか。彼女の方は別に歴史好きというほどでもなくて、直感で楽しむみたいなんです。綺麗なお庭やなあとか、立派な建物やなあとか、見たままに。
エビス 直感で。
伊瀬 で、彼氏のほうは、同じ城に行くにしても、歴史好きなんで、前もって色んな知識を入れとくんです。で、この城はどういう殿様が建てたとか、どんな戦があったとか、そういう資料をとりあえず先に調べておいて、それをたどるのが楽しいんですって。
エビス へー。
伊瀬 同じ場所に行っても、見方が全然違うことがあるみたいです。
圭吾 彼氏は答えを知っておいて、それを確かめたいんやなあ。
伊瀬 圭吾さんの個展のプレートも、そういうことなんかなあって思いました。プレートの題名を作品でたどるような見方のほうが、感じ取りやすいっていうこともあるのかもしれませんね。
圭吾 色んな見方があるもんやなあ。
つづく
●次回、最終回です。実は僕、EVISBEATSさんが制作中の曲『Chill』の作詞をさせていただきました。EVISBEATSさんがトラック・ラップを担当して、ゴスペルシンガーの方が歌われているその曲。みなさんの感性に、どんなふうに届くのでしょうね。
最終回「それぞれの『Chill』」
明日の更新をお楽しみに。