北インドへ、EVISBEATSさんと。 その4
マニカルニカー・ガートはガンジスの川辺にある火葬場です。絶えず死者を弔うため、いつも大量の薪が山積みにされています。特に神聖な場所なので、写真やビデオの撮影は固く止められます。
エビス 火葬場、どうでした?マニカルニカー・ガート。
伊瀬 うーん。この火葬場のおかげで世の中は成り立ってるわ、って思いました。ちょっと大げさかもしれないけど。ここで、ちゃんと「死」を扱ってくれてるから、みんな安心して死ねるんやな、と。みんな安心して死ねるってことは、みんな安心して生きられてるんやなあと思いましたね。
エビス はいはい。
伊瀬 死のありかたの、ひとつの象徴みたいな感じ、受けました。日本で僕ら、ポカポカのん気に生きられてるのも、遠いインドのガンジスで、死がちゃんと扱われてるからやなあ、とかもその時は思って。
エビス 深いなー。
伊瀬 深いですかねえ。
エビス ふっかふかやん。
伊瀬 (笑)まあガイドブックとかの予備知識もありますけどね。でもまあ、死んだらマニカルニカー・ガートに、インドのあちこちから、場合によっては世界中から運ばれてきて、ガートでちゃんと死を扱ってもらって、ガンジス川に流されて、空に昇って、また地上に降りてくるんやなあと、実際にナマで触れた気がします。
エビス それが自然に営まれてる、と。
伊瀬 今まででも「輪廻転生やで」とか、観念としてそのへんで聞くことはありましたけど、ここではそれがホンマに行われてたなあ、っていう。情報としてじゃなく、目の当たりにできました。「ホンマにあったわあ」って。しゃがれ声のバラモンも「命は、死んで天に昇って、バラバラに細かくなってまた降り注ぐ。だからあなたとワタシ、他の全て、元々は同じものだ」って言ってたし。
エビス うーん。
伊瀬 ボートこぎのにいちゃんに「もしもの話だけど、あなたの家族が亡くなったら、ここで焼かれるのか」って聞いたら、「そうだ」って。で、「それは喜ばしいことか、悲しいことか」って聞いたら「どっちもだ」って言ってました。
エビス 「死」って、ぼくらの周りでは隠そうとされてるけど、ここではリアルにありますね。どんなものでも、確実に死ぬからなあ。じゃあ、これから60年か80年かわからんけど、どう生きる?
伊瀬 うーん。わかんないですねえー。
エビス 1年でも想像できへんもんなあ。今日を精一杯生きる、としか言われへんようなとこ、あるもん。生きて、死んで、灰になって、何なんやろう、この世界は。こんなにむっちゃくちゃたくさんの人がいて、しかもそれだけ色んな人生、あんねんで?
伊瀬 ほんとに、無数の因果の積み重ねと絡み合いですもんね。あるひとつのことをピックアップしてつまみ上げても、そこに至るまでの色んな糸がいっぱいくっついてくる。まあねえ、何でもかんでも「運命」にしてしまうと、おもんないですけど。
エビス ダルなってくるよなあ(笑)
伊瀬 きますね(笑)この数日、インドで楽しかったことって何ですか?
エビス ベナレスで風邪ひいたことやな。
伊瀬 えーっ、楽しかったんですか、あれ。ホテルで一日寝込んでましたけど。
エビス いや、当時はしんどかったけど、治りだしたときは、なんかいい感じで。楽しかったよ。「風邪ひいた」っていうのを、楽しんでたな。伊瀬くんが楽しかったのは?一番テンションが上がったとき。
伊瀬 テンションねえ・・・。日本を出た初日に、夜遅く飛行機でデリーに着いて、ホテルで荷物下ろして、それから外の街を歩いたときはテンション上がってました。店も閉まってて誰も歩いてないですけど、なんかキャピキャピしてしまいましたね。
エビス むっちゃ写真撮ってたもんなあ。
伊瀬 初日やし、むっちゃ撮ってましたね。オートリキシャの車輪とか撮ってましたもん。今やったら見向きもせえへんのに(笑)
エビス ハハハハ
伊瀬 「わあ、見てください、コレ、リキシャですよ」「えっとえっと、じ、自転車じゃなくて、オオオオオートリキシャですわ」って。きっしょ(笑)
エビス ハハハきっしょ
伊瀬 しかしまあ、この数日いろいろありましたねえ。
エビス 予想外のこともいっぱいあった。あと3日。もうひと盛り上がりしたいなあ。インドの本領を発揮してもらいましょう。
・・・後半へつづく
以上で前半は終わりです。後半は場所をarya niwas hotel から jay niwas hotelへ移してのお話。前半の2日後に収録しました。更新まで2,3日お待ち下さいませー。ご意見、ご感想をお寄せいただき、ありがとうございます!
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